「いいよ」「だいじょうぶ」「私がやっておくよ」
つい、そんなふうに答えてしまうことがありませんか?
相手をがっかりさせたくなくて。
嫌われたくなくて。
そして何より、「自分が我慢すれば丸くおさまる」と思ってしまうから。
でも、気づくと心が擦り減っていたり、ひとりで抱え込みすぎていたりする。
それは、「やさしく断る」ことができずに、自分の大切な時間や気持ちを後回しにしてきた結果かもしれません。
今日は、そんな自分に向けて、「NO」と言うためのレッスンを、そっと始めてみませんか。
「NO」はわがままではない
私たちは小さいころから、「人に優しくしなさい」「協力しなさい」と教えられてきました。
その価値観そのものはとても大切です。
でもその一方で、「断ること=わがまま」「頼みを断る=冷たい人」という思い込みが、自分を苦しめることがあります。
けれど本来、「NO」と言うことは、自分を守ること。
無理をしない、自分の感情を大切にする、相手との健やかな距離を保つ——そんな誠実な選択なのです。
やさしい人こそ、「NO」と言う練習が必要なのかもしれません。
自分の気持ちに正直になる
「断りたい」と思ったとき、まず最初にやるべきことは、自分の本音を認めることです。
- 今日は体も気持ちも疲れていて、無理をしたくない
- 他の予定を優先したい
- そのお願いは、今の自分にとって重たく感じる
そう思っている自分を否定せず、「そう感じているんだね」と受けとめてあげること。
それが、断るための第一歩です。
自己肯定感とは、何か特別な自信を持つことではありません。
「自分の感じ方や判断を、否定しない力」です。
そしてそれは、小さな場面で自分の気持ちを尊重する練習を重ねることで育っていきます。
わたしの境界線を描く
他人と心地よい関係を築くためには、**「ここから先は無理」という境界線(バウンダリー)**を持つことがとても大切です。
それは、壁ではなく「線」。
相手との距離を適切に保ち、互いの自由と尊重を守る線です。
たとえばこんな言葉で、その線をやさしく伝えることができます:
- 「ごめんなさい、それは今ちょっと難しいです」
- 「とてもありがたいお話ですが、今回は辞退させてください」
- 「その日は自分のための時間をとっていて…また別の機会に」
やわらかく、でもはっきりと。
言葉の調子より大切なのは、自分の気持ちを大切にするという意志です。
NOと言える人は、YESにも誠実
「何でも引き受けてくれる人」は、周囲から頼られます。
でもそれが続くと、自分自身が疲れてしまったり、「またあの人に頼めばいい」という関係ができてしまったりすることも。
反対に、「ここまではできるけれど、ここから先は難しい」と伝えられる人は、YESを言うときも誠実です。
「NO」を伝えることで、あなた自身の言葉の重みや信頼感が増していきます。
そして本当に助けたいときに、心からのYESが言えるようになります。
「断ること」は、未来の自分を助ける
今この瞬間に引き受けるかどうか。
それだけではなく、「その選択が未来の自分にどんな影響を与えるか」という視点を持ってみてください。
- このまま無理を続けたら、笑顔でいられる?
- 断らなかったことで、誰かへの不満が積もらない?
- 自分の大切な時間が後回しになっていない?
「NO」は、未来のわたしを守るための選択。
それに気づくと、断ることへの罪悪感が少しずつ薄れていきます。
最後に
「わたしらしく生きる」という言葉には、キラキラした自由や楽しさが連想されがちです。
でもその根っこには、自分の気持ちに正直であること、
そしてときに「NO」と言う勇気が必要なのです。
Femina Flowは、あなたがあなたを大切にするための、小さなレッスンを応援しています。
「NO」を言ったその先に、本当にやりたいこと、本当に関わりたい人との関係が待っています。
どうか、自分の気持ちにやさしく耳を傾けてみてください。
そして、少しずつ「わたしらしさ」にふさわしい選択ができるようになりますように。