セックスレスに悩んでいた私が気づいた

〜もう一度、つながりを感じたくて〜

あるとき、ふと気がつきました。
もうどれくらい、夫と触れ合っていないのだろうと。
一緒に暮らしてはいるけれど、
まるで空気のようにすれ違っていく日々。

会話はあっても、ぬくもりはない。
そして、それがどこか当たり前になっている。
そんな今の自分が、少し怖くなったのです。


距離はいつのまにか生まれていた

結婚して十年以上が過ぎ、
子どもも成長し、生活は落ち着いたように見えていました。
でも実際は、心にぽっかり穴が空いたような感覚が
どこかにずっとありました。

夜、夫が隣にいるのに
孤独を感じるあの時間。
手をつなぐことも
抱きしめ合うことも、もう長くしていない。

私たち夫婦は
いつのまにか“つながり”を失っていたのだと
ようやく認めることができました。


誰にも言えないことだからこそ

セックスレスの悩みは、なかなか人に言えません。
恥ずかしいとか、情けないとか
そんな気持ちが先に立ってしまいます。

でも、本当はただ
「愛されたい」
「大切にされたい」
その気持ちを、どこかに押し込めて
自分でも見ないふりをしていただけだったのかもしれません。

一人で眠るような夜の中で、
その気持ちは少しずつ声になり
やがて私の中に、小さな違和感として芽を出していました。


自分を責めるのはやめようと思った

最初のうちは
私が女として魅力がなくなったからではないかと
自分を責めていました。

でも、ふとした瞬間に思いました。
そんなふうに自分を否定してばかりでは
もっと心がすり減ってしまうと。

だから私は、自分を少しずつ
いたわることから始めました。

好きな音楽を流して
夜はスマホではなく本を読む。
眠る前にアロマをたいて
自分のためだけの時間を静かに味わう。

そんな小さな時間が
自分を取り戻すきっかけになりました。


夫に伝えることは、怖かったけれど

ある日、思い切って夫に気持ちを伝えました。
「最近、ちょっとさびしい」
その一言が、どんな空気を生むのか
正直、怖くて仕方ありませんでした。

でも、夫は黙ってうなずいて
少し間をおいてから言いました。
「俺も、何かを言い出せずにいた」

その言葉に
私たちのあいだにあった静かな壁が
ほんの少しだけ揺れた気がしました。


セックスという形にこだわらなくていい

もちろん、セックスが戻ってきたわけではありません。
でも、目を見て笑うことが増えました。
ちょっとした会話に、ぬくもりを感じるようになりました。

私は気づきました。
本当にほしかったのは、
ただ抱き合うことではなく
心が通っているという実感だったのだと。

セックスという形にこだわらず
それぞれの夫婦に合った「つながりの形」があっていい。
そう思えるようになってから
心が少し軽くなった気がします。


今、悩んでいる誰かへ伝えたいこと

もし、今これを読んでいるあなたが
私と同じように
誰にも言えない気持ちを抱えているなら
どうか、自分の気持ちを否定しないでください。

愛されたいと願うこと
ぬくもりを求めること
それは当たり前で、自然な感情です。

一人で抱え込まず
小さくてもいいので
その気持ちにそっと光をあててみてください。


おわりに

夫婦のかたちは、年齢や環境とともに変わっていきます。
その中で、セックスレスに悩むのは
けっして珍しいことではありません。

でも、それを誰にも言えず
自分の中に押し込めてしまうことは
本当に苦しいことです。

大切なのは、自分の気持ちに正直であること。
そして、自分自身を大切にすること。

あなたの中にあるやさしさが
もう一度、誰かとつながる力になりますように。